介護士はサービス業?
介護士はサービス業に分類される
「介護士はサービス業である」という言葉を耳にしたことはありますか。「サービス業=接客業」というイメージが先行していることもあり、サービス業というと小売業者や飲食店や娯楽施設のスタッフ、航空会社のアテンドなど「人と接する仕事」を思い浮かべる人も少なくありません。そのため、介護施設で働く介護士の中にはサービス業に分類されることに疑問を持つ人もいます。
接客業は顧客と直接コミュニケーションを取り、ニーズに合わせて必要なおもてなしをする仕事です。介護士は利用者の自立を支援する仕事なので、接客業のようなサービスは提供していないとの考えから違和感を覚えるのでしょう。
サービス業とは
サービス業は農業、漁業、製造業以外で製品のように形に残らないサービスや情報を提供する仕事です。その範囲は広く、日本標準職業分類によると介護士も「サービス職業従事者」の一種です。この日本標準職業分類におけるサービス職業従事者は他にもあり、家政婦などの家事代行サービス、介護施設や訪問介護事業所で働く介護士、看護助手や歯科助手などの保険医療サービス、美容師やクリーニング職などの生活衛生サービス、調理師やバーテンダーなどの飲食物調理、ウェイター・ウェイトレス、旅館・ホテル支配人、接客スタッフ、客室乗務員などの接客・給仕、マンションやアパート、ビルなどの管理人、観光ガイドや火葬作業員などの職種が該当します。
一見、サービス業とは無縁に見える業種も含まれていることから、単に対面で接客するだけでなく、専門的なスキルを活かして無形のサービスを提供する仕事であることがわかります。
5つの特徴
サービス業には「無形性」「同時性」「新規性」「個別性」「非反復性」の5つの特徴があります。1つずつ見ていきましょう。
「無形性」は製造業のように製品そのものを売るのではなく、形として残らないサービスのことです。
「同時性」は生産と消費が同時に行われることを意味し、美容室のように、美容師がサービスを提供していると同時に、顧客もサービスを楽しんでいる状態のことです。
「新規性」は顧客のニーズに応えて新たな市場が次々と創出される状態を指します。
「個別性」は顧客のニーズに合わせて柔軟に対応することで、サービス業ならではの特徴だといえるでしょう。顧客だけでなく、提供者によってもサービス内容が異なるのが特徴です。
「非反復性」はサービスが顧客ごとに、また提供者ごとに異なることを意味します。