クッション言葉を活用する
相手が受け入れやすいように
気をつけていても利用者のお願いを断ったり、間違いを指摘したりする場面があります。その際、ストレートに伝えると不快な思いをさせてしまいますが、クッション言葉を活用すると相手に受け入れられやすくなります。なぜなら、クッション言葉には言葉のニュアンスを和らげる効果があるからです。特に、相手にお願いしたい時や反論したい時、お願いを断りたい時に有効です。
活用するメリット
クッション言葉を使えば相手の気持ちを傷つけずに言いたいことを伝えられます。たとえば、利用者から何かお願い事をされたとします。業務が忙しくすぐに対応できない場合に「今はその要望には応えられない」と伝えると、簡潔すぎて相手の都合を無視したメッセージになってしまいます。しかし、頭に「申し訳ありません」とクッション言葉を加え、「申し訳ありませんが、10分ほどお待ちいただいてもいいですか」と伝えると、「今は応えられない」と同じ意味なのに言葉がソフトになるので相手に思いやりの気持ちが伝わりやすくなります。受け取った側もぶっきらぼうな返事がしにくくなるでしょう。また、話す時に声のトーンや表情に変化をつけるとより気持ちが伝わりやすくなります。
介護現場で使えるクッション言葉の一例
シーン別に具体例をいくつか紹介します。どれもすぐに使える言葉なので、利用者と円滑なコミュニケーションを取りたい人は覚えておいてください。
何かお願いをしたい時は用件を伝える前に「お手数をお掛けしますが」「恐れ入りますが」「よろしければ」などのフレーズを、改善して欲しい時は「説明が十分ではなかったかもしれませんが」「言葉が足りなかったかもしれませんが」などのフレーズを加えると相手の気持ちを損ねることなくこちらの要望を伝えることができます。
また、断わりたい時は「申し訳ありませんが」「大変心苦しいのですが」といったように、相手の気持ちを立てるようなクッション言葉を加えると関係を悪化させずに済みます。
クッション言葉には自分の気持ちを和らげる効果もあります。たとえば、難しいことを頼まなければならないことがあった時に、単に「○○を明日までお願いします」と伝えるよりも「お忙しいところご迷惑をお掛けし申し訳ありませんが」といったフレーズを加えるだけで口調が柔らかくなります。相手は受け入れやすくなり、お願いをしているこちら側の心理的負担も減らすことができます。