場面に応じた言葉遣いを
「朝の挨拶」
誰だって良い気分で、気持ち良く1日を始めたいものです。明るい口調で元気良く「おはようございます」と挨拶してください。まだ寝ている人を起こす時は、「おはようございます。よく眠れましたか」と起きなければならないと思わせるように声を掛けたり、楽しい1日を過ごせるように朝食のメニューやレクリエーションの話題を加えたりしましょう。
「食事介助の時」
和やかで楽しい食事の時間は1日の流れに活力を与えてくれます。食べ物の話、スポーツのニュース、季節の話題など、楽しく明るい会話を心掛けましょう。食事中は「今日の煮物は味が染みていておいしそうですね」と声を掛けたり、しっかりと食べ終えた時は「おいしく召し上がっていただけて良かったです」と伝えたりすると良いでしょう。
「排泄介助の時」
排泄介助は人としての尊厳に大きく関わる部分です。プライバシーに配慮して介助していかなければなりませんが、中には介助自体を嫌がる利用者もいます。その場合は「申し訳ありません。嫌かもしれませんが少しお手伝いさせてください」や、「これから散歩に行きますがトイレは行きましたか」と行動を促すように声を掛けると相手も受け入れやすくなります。失禁してしまった場合は他の人に気づかれないように、「申し訳ありません。もう少し早く声を掛けるべきでした」と相手の感情に配慮した言葉を掛けるようにしましょう。
排泄介助は適切な言葉を掛けるのが難しいのですが、できるだけ相手に寄り添った声掛けを実践してください。
「入浴介助の時」
お風呂が嫌い、そもそも介助されるのが嫌だ、など入浴には様々な問題があります。無理強いするとその後のコミュニケーションに影響するので、相手が理解できるように説明しながら丁寧に誘導することが大切です。たとえば、「おいしいジュースを飲みましょう」と前向きな気持ちになってもらえるような言葉を掛けてください。
「レクリエーションの時」
レクリエーションは雰囲気を盛り上げるためにいつもよりも大きな声で、明るく笑顔で話すことが大切です。むしろ、丁寧過ぎると場の雰囲気を壊してしまうので、雰囲気を大切にしながら言葉を選びましょう。参加を渋っている人には「腹ごなしに運動してみませんか」と誘導し、参加者には「来てくれてありがとう」「待っていました」と感謝の気持ちを伝えましょう。もしゲームで負けて不機嫌になるようなら「惜しかったですね。次も頑張りましょう」と気持ちがほぐれるような言葉を掛けましょう。
言葉選びや伝え方が大切
タメ口や幼児語は相手の自尊心を傷つけてしまうので避けるべきですが、逆に敬語ばかりだとよそよそしい印象を与えたり、状況に合っていない場合は失礼な印象を与えたりします。相手の立場や気持ちを考えて言葉を選ぶようにしましょう。また、距離が縮まるにつれて口調も段々とくだけてくるようになります。しかし、距離が近くなっても相手を敬う気持ちを忘れてはいけません。程良い緊張感を持って接しましょう。